しゃぼんってなあに？

しゃぼんってなあに？

みなさんは「しゃぼん」って、何のことだと思いますか？　そう、しゃぼん玉の「しゃぼん」ですよね。　ぶくぶく泡立ってものを洗う、あのしゃぼん・・・

では、洗剤すべてが「しゃぼん」なのでしょうか？　いいえ、そうではないのです。　しゃぼんというのは、せっけんだけをさします。　形状は固形でも粉末でもせっけん＝しゃぼん、なのです。　語源はポルトガル語のSabaoやスペイン語のjabonだと言われています。

それでは、せっけんって何でしょうか？一言でいうと、脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムです。　油脂とアルカリを反応させて作るのでアルカリ性です。　詳しくは、手作りの項をご覧ください。　その他の中性・陽性・両性の洗剤はせっけんではありません。

このしゃぼんの庭では、純せっけんを基本と考えています。　純せっけんとは、脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムが９８％以上のせっけんをいいます。(残り２％は水、グリセリン、塩化ナトリウムなど。　意図的に添加物を加えていないこと。)

　◆コラム◆　　無添加せっけんとは？

純せっけんと似たイメージで、無添加せっけんという言葉が使われることがあります。　しかし「無添加」というのは「何か」を添加していないという表現にすぎず、意味はかなりあいまいです。　その「何か」は、助剤としての炭酸塩、旧表示指定成分、防腐剤、着色料、香料、などさまざまです。　逆に言えば、その「何か」をどう定義するかで、まったく違った性質の商品となってしまいます。　たとえば、無香料だけど保存料入りという場合もあり得るわけです。　つまり、無添加でも純せっけんオンリーの商品とは限らないということです。

しかし、純せっけんオンリーでないからといって、一概に質の悪い製品であるは言えません。　洗浄力を高めるため炭酸塩を加えた洗濯用せっけん、脂肪分が多いため純せっけんの割合が低くなっている浴用せっけん、天然の香料(エッセンシャルオイルやなど)やエキス分などが加えられたものなど、安全な範囲で使いこごちや機能をプラスしているものもあります。

結局は、無添加のうたい文句にはごまかされず、全ての成分をよく確かめて自分が求めていない成分が入っていないかをチェックして選ぶ必要があるということです。　めんどうでなければ目的によっていろいろと使い分けるというやり方で、めんどうな場合は純せっけんにしておけばまあまあオールマイティ(笑)。

なぜ、せっけん？

わたしがせっけん生活を始めたのはもう10年以上前のことです。　では、なぜ、せっけんを使うようになったのでしょうか？　少しアトピー気味であったりはしましたが特に大きな肌のトラブル等もなく、合成洗剤を使っていてものすごく困ったこともいなかったのですが、いちばんの理由は合成洗剤を使うことに関してなんだか気持悪いと感じていたことでしょうか。　立派な理由がないのが正直なところです。

ですが、例えば・・・水の入口(上水道)と出口(下水道)に目を向けてみました。　入口は浄水機でガードするかボトルドウォーターを購入、では出口は？家庭排水として洗剤も流しています。　水は地球上をぐるぐる巡っているもの、とすると、出口だと思っていたのは実は入口への入口？　そう考えると、洗剤はなるべく無害なものがベターだろうと思いました。　排水に含まれるせっけんは短時間で水と二酸化炭素に完全に分解されるそうです。　せっけんカスが出ても、お魚や微生物が食べてくれるそうです。

使いにくいのではないか？と心配だったので、いっぺんに全部ではなく少しずつせっけんに切り替えていきました。　使い始めてみれば、まったく問題はなくて、いっぺんに替えてもよかったなぁと思いました。　せっけんシャンプーで髪と地膚の調子が良くなりました。　洗濯物の脱水後のいやなベタつきもなくなり、ふんわり仕上がって、よく水分を吸い取ります。　カップについちゃったミルクティーの茶渋が落ちやすいという発見もありました。

せっけんは神様か？

わたしはいろいろな点で、せっけんはおすすめできる日用品だと感じています。　でも、何が何でも絶対にせっけんを使ってくださいというわけではありません。　せっけんを使っていない人を責めるつもりは全くありません。　ましてや、特定の商品を買ってくださいとお願いするつもりはありません。　わたし個人は、何がおすすめですか？と問われれば迷わずせっけんです。　でも、せっけんを押し付けたいとは思いません。　あくまでも、こんな選択もあるよという提案です。

せっけんの流行(あるいは復権)のはじまり頃の一時には、せっけんユーザーの一部の方々はせっけん信仰(笑)のような雰囲気さえ醸し出していました。　せっけん以外は悪、せっけんで洗って具合が悪くなるならその人が悪い、もう、せっけんは神様だ！くらいの勢いでした。　ですが、せっけんは神様ではありませんよ、当たり前だけれど。　わたしがせっけんを使用するのは、あくまでもオーソドックスな機能と安全性(比較的安全という範囲で)が理由です。

また、せっけん以外の洗剤は化学物質だから悪い、という主張も聞きます。　これは自然に存在するものは何でもかんでも安全であるという、天然信仰でしょう。　天然の物質でも危険なものはたくさんありますし、同じ物質を人の手で合成することもできます。　せっけんもごく普通な化学式で表わすことができますし、工業製品として製造されています。　せっけん以外は界面活性剤だからダメという話も聞きますが、せっけんも界面活性剤の一種です、念のため。

せっけんが全てを解決してくれるというはずもありません。　例えば・・・せっけんでアトピーが治る、とは言えません。　病気というものは、一つだけのきっかけで起こっているものではない場合が多いです。　肌にトラブルがある場合はきちんとした治療を受けることをおすすめします。　薬を中止するべきだとも思いません。　ただ、もしかしたら、合成洗剤や柔軟仕上げ剤が皮膚の状態を悪くさせてるかも知れない、という可能性はあります。　せっけんは薬ではありませんし、他の原因もいろいろと考えられますから、せっけん生活に切り替えたのにちっとも良くならない、ということがあるかもしれません。　でも、せっけんで悪くなった、ということにでなければ、わざわざ原因の１つと疑われる合成洗剤を使わなくてもいいですよね。

せっけんのアルカリ性が肌に合わない場合もあると思います。　肌の機能のトラブルで、自分で弱酸性に戻ることができなかったり、油分の分泌が少なくなっていて皮脂が自然に補われるないなどの場合は、やはりせっけんはＮＧでしょう。　合わないと感じたら、せっけんを中止してください。

今、せっけんはわたしの生活にすっかり溶け込んで、当たり前の日用品になっています。　自分の定番商品もほぼ決まっていて、使い始めたころほどこだわって選んだりすることもなくなりましたが、あれこれ探すのはやっぱりちょっぴり愉しみでもあります。

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